2013年 05月 10日
< 小豆島、あぁ小豆島。 >
行き先は香川県は小豆島。
前回は3年前、瀬戸内国際芸術祭(セトゲー)に行ってきました。
3年後の今年は前回の沙弥島でもふれたように春夏秋と3シーズンに分けて行われます。
一応春のセトゲーは終わったんですがここ小豆島だけは継続しています。
今回の目的はそんなセトゲーともうひとつ、映画のロケ地めぐりです。
昨年、日本アカデミーで10冠を取った「八日目の蝉」。大好きな映画です。
ご覧になられた方はご存じでしょうが、映画の後半部分は小豆島が舞台です。
ふたつの楽しみにわくわくしながら、小豆島弾丸ツアー、行ってきました。
5月4日午前1時、神戸港第3突堤から小豆島行きの深夜便フェリーに乗り込みます。
天気もよく波のおだやかな瀬戸内を、高松経由で小豆島坂手港に着いたのは朝7時。
さぁ、一日の始まりです。
まず始めに向かったのは中山千枚田。
広大に広がる棚田のあるところです。
多くの田んぼに水が張られ、農家の方たちが田植えの作業を、されていました。
「おはようございます」と挨拶しながら棚田の上の方まで上がってきました。
かなりキツかったですが、素晴らしい景色が見れました。
半夏生のころ、この棚田では「虫おくり」が行われます。
映画では希和子と薫がこの虫おくりて松明を持った姿が写真に撮られ、逮捕へと繋がります。
実際にはずいぶんと長い間虫おくりは行われておらず、映画用に再現されたものでした。
が、これをきっかけに再び行われるようになりました。
ここの虫おくり、とってもいいシーンなのでいずれ撮りに行きたいと思います。
小豆島には古くから「農村歌舞伎」というものが行われています。
中山と肥土山のふたつの舞台があり、どちらも木々に囲まれた、素朴な野山にある茅葺き造りの歌舞伎場です。
300年余りの伝統を誇り、毎年5月と10月には奉納芝居が行われます。
ここも映画のシーンに出てきますし映画では歌舞伎の様子もありました。
実は5月の上演は私が行った日の前日!知ってはいたのですがフェリーのチケットが取れず、泣く泣く諦めましたが悔やみきれません。
歌舞伎の写真が置いてありました。
こんな感じです。どうしても、どうしても見たいです!!
さていったん中山を後にしてアートを見に行きました。
お昼どき、再び中山地区に戻り「こまめ食堂」てお昼を頂きます。
ここは前回のセトゲー時に作られ、セトゲーの終わりとともに一旦閉鎖されたんですが再び地元の方たちによって再開されています。
小豆島といえば素麺でしょう!と、お素麺をいただきました。奈良の三輪素麺よりも少し太めで、その分歯応えのある食感。美味しくいたたきました。
隣にあるおにぎり何気に美味しいんです。
お店の方も撮らせていただきました笑顔がとっても素敵な地元のお兄さん。美味しかったですよー(^o^)!
さてあと小豆島で有名なのはオリーブですがもうひとつ、「醤油」があります。
小豆島で醤油作りが始まったのは江戸時代、400年ほど前のことです。
良質の塩と酵母の育成と熟成に適したあたたかな瀬戸内気候。これらにより小豆島の醤油は生まれました。
島のあちこちには醤油蔵が沢山あります。マルキン、ヤマヒサ、金両などなど、有名どころがずらりとあります。
たくさんの蔵元があるのですがそのひとつ、ヤマロク醤油さんを、訪ねました。
突然の訪問にも関わらず、貴重な醤油蔵を見学させていただけました。
中に入ると辺り一面もろみの香りが充満しています。
蔵の内部はもろみでびっしり。思わず唸るほどの歴史と伝統を感じます。
古来より醤油は木桶で作られてきました。木桶は微生物が多く住むことが出来る、最高の醸造容器です。
現在日本全国に3,000~4,000本ほどある木桶のうち、約1,000本もの桶がここ小豆島で醤油づくりに使われています。
ところが今ではこうした木桶で作られる醤油は全体の1%未満。しかも寿命があり、醸造用の木桶を生産できる桶屋さんも一社のみ。
もしこの桶屋さんが桶をつくらなくなると、50~100年後には日本にあるほぼ全ての木桶が使えなくなってしまいます。
そうなると深刻なのは醤油だけではなくて、味噌・酢・みりん・酒など木桶仕込みの基礎調味料が、100年後には消えて無くなってしいます。
そうした危機にあるなか、なんとか子々孫々に伝え、残していこうと一生懸命に取り組んでおられています。
そんな思いを熱く語られたのがこちら、ヤマロク醤油五代目の山本康夫さんです。
醤油の試飲もさせていただきました。
たくさんある醤油のいくつかを味見させたいただいたのですが、そのどれもが驚きの美味しさ!
味わったことの無い、醤油というものの概念が覆される美味しさでした。
こちらの蔵元を訪ねた理由がもうひとつ。
小豆島では方々で食べることの出来る「醤油ソフト」ですが、こちらでは「醤油アイス」がいただけます。
なんと、アイスクリームに醤油をかけて食べます。
なんとも衝撃的な食べ方ですが実際食べてみるとさらに驚かされます。
お、美味しい!
「えっ!?何で!!??」
って感じの美味しさなんです。カラメル、そう、カラメル味!
きっと、この醤油だからこそ成立する旨さなんでしょうねぇ。
いや、驚きました。
醤油蔵を後にしたあとは、「創麺屋」に向かいました。
ここも映画のロケ地。希和子が働いていた工場です。
二人が住んだ家、遊んだ公園。あのブランコもそのままです。ここでふたりはつかの間の幸せな時間を過ごします。
映画のシーンがよみがえり、涙が出そうになりました。
最後にもう一つ、アート作品を見てきました。
さて、帰りのフェリーの時間が近づいてきました。弾丸ツアーもそろそろ終わりです。
虫おくり、農村歌舞伎とまだまだ小豆島での宿題が残っています。
正直、なかなか行きづらい小豆島ですが将来は住んでみたいと思うほど私の心をつかんで離さないところです。
またいつか、おだやかな海、優しい風を感じに必ず来ることになると思います。
それまでしばらく島を離れ、今回の旅行記はこれで終わります。
by revoir-dima
| 2013-05-10 22:39