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< トップ・オブ・神宮 ~いよいよ式年遷宮編~>

昨年大晦日、毎年恒例となっているお伊勢さんに行ってきました。

伊勢ネタは以前にも内宮外宮と書いてきましたが、今回は引き続きお伊勢さんの小ネタと、いよいよ今年となった式年遷宮についてのお話を先日撮ってきた写真を交えながら進めて行きます。

少々長くなりますのであまり興味がない方は、ナナメ読み程度ですっ飛ばして下さいね~^^;
さて今回も伊勢神宮を、正式名称の「神宮」とさせていただきます。
 
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前回までの神宮ネタの内宮と外宮。
正式には外宮→内宮と回るのが正しいとされているんですが、そもそもなんで内宮と外宮に分かれているのでしょうか。
 
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皇室の祖先が繋がる天照大神の鎮座が約2.000年前。これが内宮です。
その約500年後、雄略(ゆうりゃく)天皇の夢の中に大御神が現れ、同郷のオトモダチで食べ物の神様である豊受大神を側に呼んでほしいと訴えられました。
理由は「食事を一人で食べるのはいやだ」ってことらしいです。
かくして豊受大神を山田原というところにお迎えしたことからここを外宮としました。
 
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ってな説明をよく見かけます。もっともらしい説明ですが、これでは「じゃぁ一緒に住みゃいいじゃねーか」となり、内宮・外宮となった理由にはなりませんね。
日本中の神社にぜんぶ内宮外宮があれば良いですが、たいていありません。
 
なぜ伊勢神宮だけ、内宮外宮があるのか。これは神宮の起源の部分でもあり、今でも解釈や立場の違いで論争のある部分です。
ただ、多くの説で内宮・外宮は男性・女性と位置付けられています。
そしてその理由は、伊勢の二見浦にある有名な「夫婦岩」。海上の男女神。それを陸上に移したからことから内宮外宮になったとされています。
そこに丹波から連れてきた天照大神を内宮に、豊受大神を外宮に祀りました。
つまり、もともと内宮・外宮の元となるものがあった、って説が有力らしいです。
アマテラスは女性ですが、内宮は男性?女性?と、そんなややこしい話となりますがこれまた議論の的なんです。

こんな感じで、この先にもウンチクが続くわけですが今回はここまで。
 
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で、この外宮の神さまの豊受大神、実はスサノオの子供なんです。スサノオ、出雲の神様でありアマテラスの弟ですね。
内宮が天照大神で外宮が弟スサノオの子供。今とは逆に、昔は外宮が大きく賑わっていたことや、今でも外宮を先にお参りすること、神祭りはすべて内宮よりも外宮が優先的に行われることから天皇家の先祖神よりも、出雲神の方が上位にあると、解釈できます。

そして伊勢の町ではたくさんの注連飾りを見かけます。その造りは出雲大社と同じもので、年中飾っているようです。
そしてその注連縄には「蘇民将来」と書かれた札が付けられています。蘇民将来とは出雲神スサノオを祀った人の名前です。
またおはらい町にもある伊勢の伝統家屋は「妻入り」。これも出雲と同じ造りです。

こうしたことから、伊勢を代表する内宮(天照大神)のおひざ元では出雲神、スサノオをメインに祀っていることとなります。まるで、表向き天照大神を祭っているかのようです。
また天皇の祖先に繋がるとされる天照大神ですが、実際に天皇が神宮に参拝したという記録は明治天皇が初めてで、それ以前にはありません。。。

なんか謎が謎を呼び、どんどんと不思議な話になっていきます。
この話、エンドレスになるのでこの辺で。
 
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以下、小ネタをいくつか。
 
さてその神宮ですが、ここは神社でありながら「賽銭箱」がありません。行かれたことのある方、お気づきになりましたか?
そもそも神宮の祭儀を主宰するのは天皇陛下。天皇陛下以外のお供えは「私幣禁断」といって許されませんでした。
そのため今も内宮・外宮には賽銭箱がなく、その代り白い布で覆われた場所が用意されています。
 
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前記事にも書きましたが、神宮の「正宮」は「お礼をするところ」であって、「お願いごと」をするところではありません。
お願い事はお隣の「荒祭宮」で受け付けるわけですがこの「荒祭宮」、本来あるべき鳥居がありません。
これは「静」の正宮と「動」の荒祭宮を一体として考えられているためです。
今度行かれた方は確認してみてください。
 
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内宮と外宮の社殿。パッと見あまり違いが分かりませんが、その屋根に特徴があります。
写真のように屋根に直角に置かれている数本の丸太のようなもの。これを「鰹木」といいますが、内宮ではこれが偶数、外宮では奇数です。
これは外宮よりも内宮の方が上位にあるため、常に一歩下がっているってことを表しているそうです。
写真は御稲御倉。お祀りでお供えされる稲が納められています。
 
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神宮で働く職員数は約600人。そのうち約100人が神官です。
神宮ではその神官の方たちにより年間1.500もの神事が行われています。
これだけしょっちゅう行われていますので、時間によりますが参道を進む神職の列を見ることが出来ます。
かなり緊張感の漂う光景だそうで、これも一度見に行きたいと思っています。
 
 

さて今年、いよいよ20年に一回の式年遷宮が行われます。式年遷宮とは、20年に一度の神様のお引越し。内宮・外宮のご正宮や別宮などの建物をそっくり造り替えて行う、神宮最大・最重要の神事です。
このビックイベントに向け、神宮では数年前から着々と準備がされてきました。
 
式年遷宮にかかる総予算は約550億円。そのうち330億円は神宮が用意しあとは全国からの寄付だそうです。
また、遷宮では相当な材木が使われますが、岐阜県と長野県から持ってきたものです。
 
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行事は、山口祭、木本祭に始まり遷御、奉幣、御神楽に至るまで30に及ぶ祭典・行事が行われます。
中でも重要な祭儀については、その日時は天皇陛下が最終決定します。

メインどころの行事は8月以降。
なかでも最大のイベントは10月にある「遷御(ぜんぎょ)」。実際に神様が移るための儀式です。真夜中、真っ暗な中で行われるそうです。
そして最後には御神楽で終わります。

一般参拝客が見ることが出来る行事は限られていますが、可能な限り見に行きたいと思っています。
20年に一度。この次はまず行けそうにありませんからね~。
 
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長くなりましたが今回の神宮ネタブログはこれで終わります。
式年遷宮までにはちょっと神宮に用事もあるのでまた足を向けることになりますが、ブログにできそうなネタがあればまたアップしたいと思います。
 
お伊勢さん、まだまだ深いウンチクがごろごろあります。
興味ある方、ご一緒にお伊勢詣り、しませんか~^^??











by revoir-dima | 2013-01-04 22:22