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< ならまち de ふぉと散歩 >

早速ですが皆さん、「ならまち」をご存知でしょうか?
奈良は知ってても「ならまち」をご存じない方も多いかもしれませんねぇ。

「ならまち」とは奈良市の市街地、猿沢池の南にある江戸時代以降の
歴史的な町屋が多く残る一帯の通称名です。
「ならまち」という行政地名はありませんので「地図にない町」です。

迷路のような小路に数多くの町屋が建ち並ぶ、とっても情緒ある町です。

そんな「ならまち」を今日はふぉと散歩してみましょう^^。
 
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ならまちを歩くとまず目にするのが「吉田蚊帳」。大正10年創業以来、蚊帳の製造を行う老舗です。
 
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現在では蚊帳だけでなく、昔ながらの蚊帳の布地を使った色鮮やかな暖簾や布巾、コースターなども扱っています。
麻素材なので少し硬めの生地ですが、なんとも言えず気持ちの落ち着くアイテムばかり。
こんなのに囲まれたら、涼しい夏マチガイなしです^^!

ちなみにこちらのお店、「よしだかや」ではなく「よしだかちょう」と読むんだそうです。
 
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ならまちではよく、家々の軒先に赤いお猿のぬいぐるみがぶらさがっているのを見かけます。
 
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これは「身代わり申(さる)」といいます。
飛騨の「さるぼぼ」の手足をキュッ!と縛ったような形をしています。(ちょっと違うか^^;)

中国の道教によれば、人の身体には三匹の虫、三尸(サンシー)が住んでいるとされています。
この蟲は普段から身体の中で悪さをし、病気の原因になったりしているのですが、それだけでなく、
寝ている間に宿主の身体を出て天に昇り、その悪い行いを天帝に告げ口しに行くというヤツらだそうです。

で、この虫が恐れるのが猿。
なので猿(申)を軒先に吊るすことでさまざまな難から逃れますように、とのことだそうです。
 
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また猿により虫を封じ、その猿を悪いことを「見ざる・聞かざる・言わざる」にすれば
天帝に報告がいかなくなり、寿命が延びるとも言われています。
 
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もう少し歩いてみましょう。

ならまちのほぼ外れに「ならまち格子の家」があります。
昔の奈良の町家の伝統的な生活様式を再現した施設です。
 
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うなぎの寝床状に細長い、奈良町の伝統的な町家。
その昔、町家は間口の幅で課税が決められていたので、その為横に細く、奥行きの長い形状となっています。
これは京都の町屋でもよく見かけるスタイルです。
 
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格子は通風の役割のほか表通りから中が見えず、中からは外の様子を確認でき、
目隠しの役割も果たすなど、とってもエコで機能的な造りとなっています。
 
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ならまちの中心には世界遺産でもある「元興寺」があります。
 
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元興寺は、もともと飛鳥時代に蘇我氏が現在の明日香村に建立した日本最初の仏教寺院・法興寺でした。
その後、平城京遷都に伴い710年、現在の地に移転。名前を「元興寺」と改めました。

かつては壮大な伽藍を誇り、ならまち一帯すべてが元興寺の境内でありました。
 
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やがて時代とともに衰退していくことになるんですが、その際元興寺を支えたのが奈良の庶民でした。
その庶民信仰の表れが、境内に2千5百はあると言われている石塔やお地蔵様です。
 
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その伝統を受け継ぐ「地蔵会」が毎年8月23、24日に行われます。
「地蔵会万燈供養」といい、私のブログでも以前にご紹介しました。
 


ちょっと顔を上げ、屋根を見てみましょう。
一見カラフルな、色の違う部分がありますね。
これは法興寺時代に造られた日本最古の瓦が現在も残り、使用されているものです。
1400年前の瓦です。なんともロマンを感じますね~。
 
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ならまち散策もそろそろ終わりです。
最後に、素敵なお店ご紹介しましょう。

私がよく行くお店、「中川政七茶房」です。
 
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このお店は1716年創業、「奈良晒(ならさらし)」と呼ばれる麻製品など、
和雑貨の製造・販売を手がけるお店です。
「遊 中川」や「粋更kisara」など、見たこと聞いたことのある方も多いかと思います。
その本店がここ。
お店の奥座敷は「茶菓席 中川政七茶房」というカフェとなっています。

おしぼりの下に敷いてあるのは吉野杉。鹿のマークがさりげなく入っていたり、コースターには奈良晒と
とってもオトナのオシャレがさりげなく演出されています。
 
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今回注文したのは「黒糖あんみつ」。ここにも「鹿」がいました。
黒蜜をかけて食べたそのお味、とっても美味しかったです~。
 
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さてこれにて「ならまち ふぉと散歩」は終わります。
奈良は東大寺や法隆寺、飛鳥や吉野など、ビッグネームが揃っていますが
けっしてそれだけではありません。

「ならまち」、ぜひ一度足を向け、歴史ロマンにふれてみてくださいね~^^。







by revoir-dima | 2012-06-05 20:03